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「アルミニウム粉末焼結多孔質フィルターによるトリチウム水の回収技術」の 日本アルミニウム協会賞技術賞受賞のお知らせ

2019.06.03お知らせ

当社および近畿大学が共同研究したアルミニウム粉末焼結多孔質フィルターによる放射性物質を含んだ汚染水から放射性物質の一つであるトリチウムを含むトリチウム水を回収する技術が『2018年度日本アルミニウム協会賞技術賞』を受賞しました。

【背景】

東京電力福島第1原子力発電所では地下水の流入により放射性元素を含んだ汚染水が発生し続けておりますが、汚染水中に含まれるトリチウムは除去が困難であるため、保管する貯蔵タンクを増設し、広大な保管場所を確保する必要があります。このため、汚染水問題解決のために実用的なトリチウム除染技術の開発が望まれています。


【技術の概要】

従来は、水の電気分解や高温高圧が必要でしたが、60℃・低真空での分離を実現しました。


【展望】

現在も発生し続けている汚染水からトリチウムを除去できれば、処理後の汚染水の海洋放出も可能となり、汚染水を保管するタンクを減らすことができるため、タンクの設置・維持管理コストを削減でき、廃炉作業に必要なスペースを確保できることが期待されます。

授賞式は5月29日に行われ、受賞者として当社の先端技術本部から藤本和也研究員が出席し、「我々の取り組みを評価いただき、光栄に思います。」と受賞の喜びを語りました。

※日本アルミニウム協会賞 当社過去の受賞暦

2011年度 クロマシャイン® (開発奨励賞)

2016年度 アルリジッド® (技術賞)


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受賞式での藤本研究員