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『3Dプリンター用低歪み高強度積層合金』開発のお知らせ

2020.11.16プレスリリース

当社は、株式会社コイワイ(所在地:神奈川県小田原市、代表取締役:小岩井 豊己)、九州大学および千葉工業大学と連携して、3Dプリンターによる金属積層造形用の各種アルミニウム合金の開発を進めて参りましたが、このたび「3Dプリンター用低歪み高強度積層合金」を開発しましたので、お知らせいたします。


現在、3Dプリンターにおいて世界中で使用されているアルミニウム合金はAl-Si系のダイカスト品相当の合金が主ですが、同合金は製品内部の積層高さ方向に強度が変化する問題とともに、内部に残留応力(材料内部に歪を発生させる力)が蓄積されるという問題があり、後者を解決しようとすると、強度がアルミニウム合金鋳物品レベルの300MPaまで低下してしまいます。


当社は上記共同開発メンバーとともに、これらの問題を解決するために、常温で500MPaクラスの高強度合金、ならびに従来の合金に比較して優れた高温疲労強度と高温強度を示す耐熱合金を開発し、日本特許を取得(海外も出願中)するとともに、現在進行中の顧客評価でも好結果を得ております。更に、金属積層造形製品内部に蓄えられる残留応力を除去する方法、およびそれに対応できる各種合金の開発にも成功し特許出願中です。


これら合金の積層造形に関しては、日本積層造形株式会社(所在地:宮城県多賀城市、代表取締役:日下良太)に委託しております。


当社は、お客様の高い品質要求に答えるために、上記共同開発メンバーとともに高強度合金、耐熱合金に加えて高耐食合金なども開発中です。いずれの合金も自動車、航空・宇宙、医療分野をはじめ幅広いニーズに応えられることが期待されており、今後、海外ビジネスも視野に入れた展開を目指します。

*積層造形法

3次元データに基づき粉末を一層ずつ敷き詰めながら、成形したいところにのみレーザービームをあてて溶融・固化して最終製品を形づくる世界中で注目されている先端的な製法。高い機械特性が発現できることが特長。

以上



本件お問い合わせ先

・当社 パウダー・ペースト事業本部グローバルマーケティング部【担当 今井】

 TEL:06-6271-3157

・株式会社コイワイ【担当者 小岩井(専務)
 TEL0465-44-2015