東洋アルミニウム株式会社と株式会社UACJ製箔の経営統合に向けた統合基本契約締結に関するお知らせ
東洋アルミニウム株式会社(以下「東洋アルミニウム」という。)、株式会社UACJ製箔(以下「UACJ製箔」という。)及びJICキャピタル株式会社(以下「JICC」という。)は、本日開催の東洋アルミニウム及びUACJ製箔並びにそれぞれの親会社である日本軽金属ホールディングス株式会社(以下「日本軽金属ホールディングス」という。)及び株式会社UACJ(以下「UACJ」という。)の取締役会の決議に基づき、2023年4月1日(予定)を効力発生日として東洋アルミニウムとUACJ製箔(以下「両事業会社」という。)が対等の精神に基づいて経営統合し、JICCが統合新会社(下記2.(2)①に定義する。以下同じ。)の議決権の80%を取得、UACJが議決権の20%を保有すること(以下「本経営統合」という。)について合意し、統合基本契約を締結いたしましたので、以下の通りお知らせいたします。
なお、本経営統合の実施は、公正取引委員会等の国内外の関係当局の承認、許認可の取得等を条件としております。
1. 各社の取り組み
(1) 東洋アルミニウム
東洋アルミニウムは、「未来を創る、私が創る、みんなで創る」を経営理念に掲げ、アルミニウム(以下「アルミ」という。)の特性を生かし、食品や医薬品の包装材分野から、自動車用塗料分野、高機能な電気・電子分野、環境対応分野のリチウムイオン電池(以下「LiB」という。)用部材まで、社会や産業、暮らしに役立つ様々な製品を開発してまいりました。
現在では、主として3つの事業グループ(アルミ箔事業、アルミパウダー・ペースト事業、日用品事業)による運営に加え、先端技術本部による素材開発、新事業創造部による新事業開発を行っており、国内のみならず欧・米・中・アジア各国において「Toyal」ブランドでグローバルに事業を展開しております。
(2) UACJ製箔
UACJ製箔は、2014年1月1日に日本製箔株式会社と住軽アルミ箔株式会社が合併し、UACJグループ(UACJ及びUACJの関係会社を指します。)箔部門を担う事業会社として発足されました。UACJのグループ理念である「素材の力を引き出す技術で、持続可能で豊かな社会の実現に貢献する。」の下、「箔で暮らしを支え、環境負荷軽減に貢献する」をありたい姿とし、総合箔メーカーとして食品・医薬品の包装用アルミ箔から、エレクトロニクス・自動車分野のコンデンサ箔・LiB用箔、建築、日用品までの幅広い分野の金属箔製品を製造・販売しております。また、国内のみならずマレーシアにおいても事業を展開しております。
(3) JICC
JICCは、株式会社産業革新投資機構(以下「JIC」という。)の100%子会社として設立されたファンド運用会社です。JICは、オープンイノベーションによる企業の成長と競争力強化のための資金供給を通じて民間投資を促進するとともに、投資人材の育成等を行い、我が国の次世代産業を支えるリスクマネーの好循環創出を目的に設立されました。その100%子会社であるJICCは、大規模・長期・中立的なリスクマネー供給を通じて、国内産業の国際競争力強化に向けた事業再編の促進、Society 5.0の実現に向けた新規事業・新産業の創造、デジタルトランスフォーメーション(DX)促進をはじめとした次世代社会基盤の構築、社会的課題の解決、民間資金の呼び水といった政策目標と収益目標の両立をミッションとしています。なお、本件は、JICC が運用する「JIC PE ファンド1号」からの初めての投資となります。
(4) UACJ
UACJは、2013年10月1日に古河スカイ株式会社と住友軽金属工業株式会社の経営統合により発足した総合アルミメーカーです。グループ理念に「素材の力を引き出す技術で、持続可能で豊かな社会の実現に貢献する。」を掲げ、アルミの研究開発、製造、販売を通して、「アルミでかなえる、軽やかな世界」の実現を目指しています。主軸となるアルミ圧延品事業では、板事業における日本・タイ・米国の3極合計で年間約130万トンの生産能力等を有機的に活用し、缶材、自動車材、箔地など幅広い分野に製品を供給し、グローバルに事業を展開しております。
(5) 日本軽金属ホールディングス
日本軽金属ホールディングスは、2012年10月1日にグループ全体を統括する純粋持株会社として設立されました。アルミを核としたビジネスの創出を続けることによって、人々の暮らしの向上と地球環境保護に貢献していくという経営理念のもと、持続的な社会の実現と企業の発展に向けた取り組みを進めています。長年にわたり培ってきた豊富な知見・ノウハウと素材の良さを引き出す独自の技術力を強みとして、アルミという素材の可能性を追求することにより、自動車、電機・電子・情報通信、環境・安全・エネルギー、建築、鉄道など、幅広い産業分野に多種多様な商品を提供しています。
2. 本経営統合の目的及び背景
(1) 本経営統合の目的・背景
(アルミ箔事業を取り巻く環境)
近年、アルミ箔事業を取り巻く環境は大きく変化しています。2000年代には安価な海外製アルミ箔の輸入増加を受けて、日本国内メーカーのアルミ箔に対する需要は減少し、国内アルミ箔メーカーの業界再編が進みましたが、2010年代以降も、海外製アルミ箔の輸入数量は急速に増加し、厳しい業界環境にあります。また、近年では、世界的な脱炭素社会の実現に向けた動きの加速や日本における2030年度の温室効果ガス削減目標引き上げといった状況の下で、自動車業界において加速度的に進行する電気自動車(以下「EV」という。)への移行を背景に、EVに使用する高機能高品質のLiB外装材用箔及びLiB集電体用箔(以下「LiB用箔」という。)の需要が日本のみならず世界的に急増しており、それに対応する生産能力の拡大が必要な状況にあります。
(意義・目的)
両事業会社は、日本のアルミ箔メーカーとして供給責任を果たすべく、食品包装材等の加工箔含めて日本の産業界が欲するようなアルミ箔製品を可能な限り安定的に供給することを目指しております。
上記のような事業環境の下、本経営統合を通じて、短期的には両事業会社の生産体制の効率化により、車載用LiBメーカー及び関連メーカーをはじめ、顧客の増大する需要に応え、現在以上に日本製の高性能かつ高品質のアルミ箔を供給し続けることが可能になると考えています。また、その実現にあたっては、統合新会社の将来の上場を見据えた上で、新たな株主としてJICCを迎え入れ、成長戦略の立案や中期的には設備増強等を行うことで、国際競争に耐えられる技術開発・生産規模の実現を目指してまいります。日本の広範な需要家に対する一般箔の供給をも維持しつつ、EV化に伴う一層のLiB用箔の供給についても、需要に応じた安定的な供給能力を確保することにより、LiB用箔事業ひいては日本の産業全体の下支えを行うことが可能になると考えています。
(目標)
対等の精神に基づく本経営統合を通じて、上記のような短期的、中期的な取組みに加えて、統合新会社として①技術・特許等の相互活用による生産技術力・開発力強化、②購買費・物流費・ITシステム統合等によるコスト削減といったシナジー効果を創出することにより、事業基盤の大幅な強化を図ります。
また、現在UACJ製箔の株式の100%を保有する親会社であるUACJは、アルミ圧延のトップメーカーとして、UACJグループの技術力とグローバルでの供給体制及びネットワークをもとに、原材料となる箔地を開発・供給していくほか、JICCとともに株主として統合新会社の発展を支援してまいります。
これらにより、近年品質が向上し世界的に輸出量も増えている安価な海外製アルミ箔に対して、日本品質のさらなる向上を図り、単独では困難であったグローバルで競争力のあるアルミ箔メーカーとしての地位を確立し、日本のアルミ箔業界の更なるプレゼンス強化・企業価値の向上を目指してまいります。
(2) 本経営統合の要旨
① 本経営統合の方式
両事業会社は、本経営統合を吸収合併(以下「本合併」という。)の方式により実施いたします。本経営統合は対等の精神に基づき実施されますが、本合併の手続き上、東洋アルミニウムを吸収合併存続会社、UACJ製箔を吸収合併消滅会社といたします(本合併後の東洋アルミニウムを「統合新会社」という。)。また、本合併に先立って、日本軽金属ホールディングスは保有する東洋アルミニウム株式の一部をJICCに譲渡した上で、東洋アルミニウムは日本軽金属ホールディングスが保有する同社株式の全てを取得し、UACJ製箔はUACJが保有する同社株式の一部を取得いたします。その具体的手続きは、大要以下のとおりとする予定です。
【現状(2022年8月31日)】
上図は、2022年8月31日時点の資本関係を示した図です。
【第1ステップ(2023年3月31日(予定))】
第1ステップとして、日本軽金属ホールディングスが保有する東洋アルミニウム発行済株式の一部をJICCへ譲渡いたします(上図①)。
【第2ステップ(2023年3月31日(予定))】
第2ステップとして、東洋アルミニウム及びUACJ製箔は、それぞれ日本軽金属ホールディングス及びUACJより自己株式を取得いたします(上図②-A及び②-B)。
【第3ステップ(2023年4月1日(予定))】
第3ステップとして、UACJ製箔を吸収合併消滅会社、東洋アルミニウムを吸収合併存続会社とする、吸収合併を実施いたします(上図③)。
【完了図】
以上のステップを経ることにより、JICCは統合新会社の発行済株式の80%を保有し、UACJがその20%を保有することとなります。
② 本経営統合の日程
統合基本契約の締結 |
2022年8月31日 |
株式譲渡の実施(日本軽金属ホールディングス、JICC) |
2023年3月31日 |
自己株式取得の実施 |
2023年3月31日 |
本合併の効力発生 |
2023年4月1日 |
3. 統合新会社の概要
(2022年3月31日時点。ただし、UACJ製箔の所在地は2022年8月31日現在)
(1) 当事会社の概要
(1) 名称 |
東洋アルミニウム株式会社 |
株式会社UACJ製箔 |
(2) 所在地 |
大阪府大阪市中央区久太郎町三丁目6番8号 |
東京都千代田区大手町1丁目7番2号 |
(3) 代表者の役職・氏名 |
代表取締役社長 楠本 薫 |
代表取締役社長 今泉 明人 |
(4) 事業内容 |
アルミ箔、アルミペースト及び |
アルミ箔、銅、錫、鉛その他 |
(5) 資本金 |
8,000百万円 |
1,190百万円 |
(6) 設立年月日 |
1999年5月12日 |
1933年11月17日 |
(7) 大株主及び持株比率 |
日本軽金属ホールディングス 100.0% |
UACJ 100.0% |
(8) 従業員数 |
2,586名(連結) |
1,005名(グループ合計) |
(1) 名称 |
JICキャピタル株式会社 |
(2) 所在地 |
東京都港区虎ノ門1丁目3番1号 |
(3) 代表者の役職・氏名 |
代表取締役社長 池内 省五 |
(4) 事業内容 |
エクイティ投資及びエクイティ投資に付随するコンサルティング |
(5) 設立年月日 |
2020年9月 |
(6) 大株主及び持株比率 |
株式会社産業革新投資機構 100.0% |
(1) 名称 |
株式会社UACJ |
日本軽金属ホールディングス株式会社 |
(2) 所在地 |
東京都千代田区大手町1丁目7番2号 |
東京都港区新橋一丁目1番13号 アーバンネット内幸町ビル |
(3) 代表者の役職・氏名 |
代表取締役 社長執行役員 石原 美幸 |
代表取締役社長 岡本 一郎 |
(4) 事業内容 |
アルミ及びその合金の |
各種アルミ・アルミ加工製品等の |
(5) 資本金 |
52,277百万円 |
46,525百万円 |
(6) 設立年月日 |
2013年10月1日 |
2012年10月1日 |
(7) 大株主及び持株比率 |
古河電気工業 24.96% 日本マスタートラスト信託銀行(株)(信託口) 10.95% 日本製鉄 7.76% |
日本マスタートラスト信託銀行(株)(信託口) 19.24% 日本カストディ銀行(信託口) 7.17% 第一生命保険 3.23% |
(8) 従業員数 |
9,571名(連結) |
12,750名(連結) |
(2) 本経営統合後の状況
(1) 名称 |
未定 |
(2) 所在地 |
未定 |
(3) 代表者の役職・氏名 |
代表取締役社長 楠本 薫(予定) |
(4) 事業内容 |
アルミ箔及びその他金属圧延品、アルミパウダー・ペースト、太陽電池モジュール関連製品等の製造・販売等 |
(5) 資本金 |
未定 |
(6) 大株主及び持株比率 |
JICC 80.0% UACJ 20.0% |