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ハイドロフレッシュ®による水産物の品質保持効果に関する研究発表のお知らせ

2023.04.12お知らせ

当社と平塚聖一教授(東海大学 海洋学部 水産学科 食品科学専攻)の共同研究グループは、当社の食品用包装フィルム「ハイドロフレッシュ®」がマグロの変色や臭い成分の発生を抑制する可能性があることを明らかとし、令和5年度日本水産学会春季大会にて平塚教授より発表しました。

本研究により、ハイドロフレッシュ®がマグロの鮮度保持、廃棄ロス低減に貢献できる可能性が示唆されました。

研究の背景と概要

冷蔵でマグロを保管あるいは流通したり、小売業者で商品を陳列したりする際にマグロが変色し、特有の生臭い臭いを発生することで商品価値が低下したり、廃棄ロスの増加につながってしまったりすることがマグロの流通時の課題として推察されておりました。一方、当社の先行研究によりハイドロフレッシュ®は牛肉の変色を抑制する効果や、3週間の冷蔵保管中にグルタミン酸等の旨味成分を増加させる熟成効果があることが明らかとなりつつありました。

そこで,共同研究グループは、「ハイドロフレッシュ®」によるマグロの変色や臭い成分の発生抑制効果を検証するため2021年より共同研究を開始しました。


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ミンチしたマグロを市販品またはハイドロフレッシュ®で真空包装し、

5℃で1日間保管した後の写真


ハイドロフレッシュ®は、フィルム中に含まれる水素発生剤とマグロ等の食品に含まれる水分が反応し、水素ガスを発生する食品包装フィルムです。フィルムから発生する水素ガスにより食品の酸化を防ぎ、食品の鮮度を保持することが期待されます。

今回の共同研究では、従来の牛肉への変色抑制、熟成効果に加えてマグロの変色抑制、臭い成分の発生抑制にも効果があることが示され、多様な食品の鮮度保持及び廃棄ロス低減に貢献できる可能性が示唆されました。

今後は、実用化に向けてお客様の使いやすい形態、用途開発に取り組んでまいります。


当社グループは、産学連携研究によるパートナーシップを活かし、社会で生じる様々な問題の解決に繋がる研究開発を推進してまいります。