研究・技術情報
Research &
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公開日:2012年12月
干渉色アルミ顔料
はじめに
干渉色とはシャボン玉、孔雀の羽、またはホログラムフィルムなど身近な環境で観察できる。
これらの色調は顔料や染料と異なり、それ自身に色は付いていない。別名、構造発色と呼ばれる原理で発色しており、光の波長もしくはそれ以下の超微細構造によって光が干渉し、強められた波長の色が、見る者の目に届くことで色が認識される。
また、干渉色は一般に見る角度によって光の光路差が変化するため、様々な色調を表現することができる。
当社では、メタリック顔料で「世界初の新たな色材を開発する」というコンセプトの下、高彩度・高隠蔽力を併せ持つ干渉色アルミ顔料を開発した。
現在、用途別に下記の3シリーズをラインアップしている。
・自動車、家電製品用「クロマシャイン®」
・射出成型用「METAX CHROMA®」
・化粧品用「コスミカラー™」

干渉の原理

皮膜表面で反射する光(第1反射光)と、媒体を通過して反射する光(第2反射光)が光路差による位相差を生じ、特定波長の光が強調される。
干渉色アルミ顔料の特長
干渉色アルミ顔料は、
①高彩度:皮膜厚みのコントロールにより多様な色彩が可能
②カラーフロップ:観察角度により色彩が変化する
③高隠蔽性:従来の干渉顔料には無かった優れた隠蔽性
④耐薬品性、耐湿性:無機/有機皮膜形成で優れた化学的安定性
などの特長を持つ。
本顔料は基材としてアルミフレークを用い、その上に干渉・屈折層としてシリカ層を、さらに中間層を経て銀のナノ粒子を形成する。
最後に銀の保護層としてシリカまたは樹脂の層をコーティングし、干渉色アルミ顔料を設計した。

干渉色アルミ顔料の最大の特長は言うまでもなく、基材としてアルミフレークを用いる点にある。
図3に一般的なチタニア被覆マイカ顔料との比較をまとめた。
基材としてアルミフレークを用いることで入射する光が透過することなく、アルミフレーク表面で反射し、シリカ層で屈折しながら特定の波長の色が強められる。
シリカ層はチタニア層に比べ屈折率が低く、層内に入射した光の光路差が大きくなるため、より大きなカラーフロップが得られる。
さらに銀ナノ粒子上での光の反射によって干渉色が強められ、今までにない高彩度の干渉色を得ることに成功した。

色調のラインアップ
表1に干渉色アルミ顔料の一例としてコスミカラー™のラインアップを示す。
ハイライト、すなわち顔料塗布物を塗布面に対して正面から見た色調は青、ピンク、オレンジ、金、緑と多彩な彩度を持ち、シェード(塗布面を斜めから観察した色)はハイライトと異なる色彩を呈する。平均粒子径は20μmである。

図4に Meadow Gold を例に彩度の変化を観察した結果を示す。
ハイライトからシェードにかけて綺麗な半円を描いて彩度の変化する様子が分かる。
干渉色アルミ顔料は、程よくカラーフロップすることで使用用途が限定されず、様々な商品への展開が図れた。また、他の色材と組み合わせた際に輝度や彩度が低下しないこともこの顔料の特長である。

今後の展望
干渉色アルミ顔料は、意匠材として今まで展開できなかった化粧品分野への商品化を可能にした。
また昨今、顔料として新しい色材が枯渇する中で、本顔料の果たした役割は大きいと言える。
一方で、意匠材以外の用途展開は図れていないのが現状である。特定の波長を強める働きは機能材としての可能性も秘めており、赤外線や紫外線に対する特性をコントロールすることで新たな材料として注目されることを期待する。
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