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公開日:2012年12月

トーヤルカーボ® 新規用途 EDLC集電材

トーヤルカーボ® 新規用途 EDLC集電材

はじめに

トーヤルカーボ®は、アルミニウム箔上にカーボン粒子を固着したものである。固着は樹脂等の有機物を使用せず、アルミニウム箔を炭化水素の雰囲気で加熱した際に発生するアルミカーバイドを利用している。その優れた電気特性から、機能性固体コンデンサの陰極箔として非常に高い評価を受けている。
今回は、その特長を活かして、電気二重層キャパシタ(以下 EDLC)の集電材として用いた時の電気特性について報告する。

実験条件

EDLCを組み立てるに当たり、活性炭電極を作製した。活性炭電極は、容量出現のための活性炭と、導電性付与のための導電助剤と、結合状態を保持するためのバインダーからなるスラリーをコートして作製した。スラリーの混合比は以下の通りである。
活性炭:導電助剤:バインダー=91:4.5:4.5
上記で混合されたスラリーを、集電材であるアルミニウム箔に 25μm の厚みで片面にのみコートし、乾燥後、セルロース系のセパレーターを介して対向させ、電解液の 1.5M TEMA BF4/PC を1ml 加えてラミネートフィルムとし、EDLCを作製した。
集電材に使用するアルミニウム箔は、従来から使用されているエッチド箔とトーヤルカーボ®の2つで比較した。

電気化学特性を評価する手段として、今回はAC インピーダンスと充放電測定を行った。
■AC インピダーンスの測定条件:
・印加電圧:10mVO-P
・測定周波数:120mHz-20kHz
■充放電特性の測定条件:
・50mA/c ㎡で充電し、充電状態を 5 分キープ
・放電条件は 0.5,1.0,5.0,10,25,50mA/c㎡の6条件
なお、充放電で測定条件を 6 段階とした理由は、放電時の電流密度によって静電容量と内部抵抗が変化するためである。

実験結果

AC インピーダンスの測定結果を図1に示す。図1で、活性炭電極自身の抵抗(以下電極抵抗)に該当するのが半円成分であり、エッチド箔の電極抵抗は図中の青矢印の範囲となる。また、トーヤルカーボ®では電極抵抗が非常に小さく半円成分が生じる前に抵抗成分がなくなるため、図1の赤矢印部分が電極抵抗に該当する。この結果から、集電材をトーヤルカーボ®に変更するだけで電極抵抗が非常に小さくなる事が分かる。
次に、充放電測定で静電容量と内部抵抗を測定した。静電容量は放電時のグラフの傾きから求め、内部抵抗は IR ドロップから求めた。結果をそれぞれ表1及び表2に示す。静電容量はトーヤルカーボ®とエッチド箔でほぼ同じであった。この結果は、EDLC の静電容量は集電材の種類によらず活性炭量にほぼ依存することを示す。内部抵抗はエッチド箔と比較してトーヤルカーボ®が全体的に低くなった。特に、表2の赤丸で示したように、極低電流密度以外の条件下では、トーヤルカーボ®はエッチド箔と比較して、約 40%も内部抵抗が低減されている事が確認できた。

図1 ACインピーダンス測定結果
表2 充放電測定による内部抵抗
表2 充放電測定による内部抵抗

今後の展望

今回のACインピーダンスと充放電特性の測定結果からトーヤルカーボ®が従来のエッチド箔と比較して非常に優れた特性を示すことが分かった。これは、カーボン粒子をアルミカーバイドで固着する事で、アルミ表面の酸化皮膜などの抵抗成分を大幅に小さくできることによると考えられる。
現在、エネルギーの有効利用という観点からEDLCやリチウムイオン電池などの高性能化が求められており、その具体例として急速充放電時の低抵抗化が挙げられている。急速充放電は電流密度が大きい実験条件に該当する。そのため、今回の実験結果から、トーヤルカーボ®は今後のEDLCや二次電池の高性能化を実現するのに非常に適した材料であるといえる。

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