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公開日:2012年12月

粉体めっき技術

粉体めっき技術

はじめに

材料表面に新しい機能を付与する表面処理技術が、種々の産業分野において利用されている。めっき技術はその表面処理技術の一つであり、見た目に美しい金属光沢を付与する装飾めっき、材料の高機能化、長寿命化など特性改善を目的とした機能めっきなど、種々の産業分野で用いられている。その中で、すべり軸受け・電極材料などへの粉末冶金用途、導電ペースト・導電接着剤などへの導電性材料用途および意匠性用途などにおいて、金属粉、セラミックス粉、樹脂粉などへ銀・銅・ニッケルなどの金属を被覆する粉体めっきの製品が使用されている。弊社も粉体めっき技術を有し、数多くの製品を生み出している。シリカ処理アルミフレークにめっきを施したクロマシャイン®やコスミカラー、前号で報告した粉体めっきフィラーを用いた導電性フィラーの開発などがその例である。

粉体めっき

粉体めっきは粒子同士の凝集、粒子一つ一つへの均一な被覆、粉末の取り扱い、求められるめっき皮膜の性能コントロールなど懸案事項が多い。本報告では、その中でも粉体めっきで最も問題となる粒子同士の凝集について取り上げる(図1)。
従来の粉体めっき技術であれば、母材粒子は凝集された状態でめっきされており、解砕するとめっき未着部分が多く、目的とする機能を持たない。しかしながら弊社では母材粒子を殆ど凝集させることなく、分散させながらめっきする技術を持っている。また、基材表面にめっき金属をアイランド状で分散析出させる技術も持ち合わせている。これらはめっきされる材料に適しためっき金属・めっき液・めっき条件などのノウハウを弊社が持っているからである。それが数多くの量産品へと結びづいている。

図1 弊社の粉体めっき技術

粉体にめっきをする方法には電気めっきと無電解 めっきの 2 種類がある。電気めっきはその名の通り、 外部電源を用いて成膜するプロセスである。従って材料となる粉体は電気を通すものでなければならない。 電気めっきの利点は、めっき膜厚を厚くできることや、 任意の割合で二つの金属を析出させる合金めっきを可能にすることである。しかし、サイズの小さい粉体には適さない欠点がある。一方、無電解めっきは外部電源を使用せず、化学反応で成膜するプロセスである。 無電解めっきは電気めっきでは被覆できない凹凸のあ る材料、粒子径の小さい材料に適し、粒子のめっき膜厚のバラつきを少なくする利点がある。しかし、電気めっきのように膜厚を厚くすることはできない。

電気めっき

弊社ラインで作製した電気めっきの製品の一例として、銅ボールに鉛フリーを目的とした各種(例:スズ、スズ-銀、スズ-ビスマスなど)半田めっきがある。これらは図2に示すようなチップサイズパッケージ(CSP)などの実装用の接続部材に用いられている。

図2  CSP 断面図¹

銅ボール上に半田めっきの断面図を図3に示す。核となる銅ボール(茶色部)に電気めっきにより均一な膜厚で成膜されている(白色部)。

図3 半田ボール断面写真

銅ボール上半田めっきは凝集、膜厚ばらつき、合金組成比などの問題が多く存在するが、めっき液のコントロール、電極形状や位置、めっき槽形状など弊社のノウハウを生かして設計しためっき装置を用いることで、これらの問題を解決している。

また、その他の電気めっきの製品として、チップコンデンサやチップ抵抗器などの電子部品を電気めっきする際の通電媒体として使用するダミーボール(ニッケル、ニッケル/スズ)も提供している。

無電解めっき

弊社の無電解めっきラインを用いて作製した試料を図4に示す。

図4 光学顕微鏡観察図(左)・SEM 観察図(右)

これは 6μm の樹脂粒子にニッケル/金めっきを行なったものである。光学顕微鏡写真から表面に金がムラ無く被覆されているのがわかる。また、SEM 写真から粒子同士の凝集が無く、分散されていることもわかる。

粉体への無電解めっきで発生する凝集や未着は、無電解めっき液の状態(例:液組成、pH、温度)および攪拌の状態などが大きく影響する。めっき液に関しては、粉体めっき専用のめっき液を開発し、攪拌についても数多くの粉体を取り扱った知見を生かして最適条件を導き出している。その結果、図4で示したような、未着が無く単分散された粉末が得られるようになった。

おわりに

粉体めっきは上述したように様々な分野で用いられており、今後も広がっていくものと考えられる。弊社の粉体めっき技術を用いて、お客様のニーズに応えられる製品を提供していきたい。

参考文献

[1] MES2011 第 21 回マイクロエレクトロニクスシンポジウム論文集 p.165

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