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公開日:2013年12月

アルミ箔の軟化品質について

アルミ箔の軟化品質について

はじめに

アルミ箔の用途は日用品、食品用、薬袋用、電子部品用、さらにはコンデンサーの分野まで幅広く展開されている。
その中でも他材と合わせて使用する貼り合わせ用のニーズは多種多様で、今後においても期待される大きな分野と位置づけられている。

貼り合わせ用に使用されるアルミ箔に要求される品質としては、表面欠陥がないことに加え、貼り合わせ材との接着性に関連するアルミ箔表面の濡れ性の確保が挙げられる。
この特性に影響を及ぼすのが、熱をかけて材料(一般的には箔が巻かれたコイル状態)を加熱する軟化工程である。
軟化前のアルミ箔表面には圧延の際の潤滑剤として用いられる圧延油(鉱物油)が残存しており、軟化工程でアルミ箔が焼鈍され併せて圧延油を除去される。一方、軟化条件設定が不適切な場合色々な不具合が発生する。

この工程で生じる不具合の事象とその原因について紹介する。

不具合の事例とその原因について

油残り

箔面に油が残った状態のこと。箔面に油が残存することで箔表面の濡れ性が確保できなくなる。

(主な発生原因)
表面粗度…油が箔の重なりの間隙を通って抜けていくため、箔の粗度が細かいと油抜け性が悪くなる。
巻硬さ …コイル密度が大きすぎると先と同様、箔/箔間隙が小さくなり油残りとなる。
油付着量…箔表面に多量の油が残っているコイルは加熱処理をしても充分に油分除去しきれず油残りを引き起こす。
油の種類…圧延油中の揮発しにくい成分が箔面に残った場合に油残りしやすい。
熱量不足…圧延油を揮発、除去するのに必要な熱量が不足している場合に油残りが発生する。



 

ブロッキング

箔同士がくっついて巻き戻しがスムーズに行えない状態。現象としては隣り合う箔表面の酸化皮膜が接着し合うと考えられている。ブロッキングにより後の加工の際にしわや、箔切れの原因となる。

(主な発生原因)
加熱条件…軟化温度が高すぎたり、また必要以上に時間が長かった場合に発生しやすい。
巻硬さ …コイル巻取りの際に、過剰にタッチロールのタッチ圧や巻取りの張力が大きくなった場合に発生しやすい。
タッチロールの当り具合…巻取りコイルに接するタッチロールの当り具合の程度が大きい場合に局部的にコイル密度が大きくなり、ブロッキングが発生しやすい。
油焼付き…高濃度添加剤を含む圧延油により圧延された材料は、充分に油の除去が行われず、残存した油の焼付きによりブロッキングを生じやすい。

焼鈍後のブロッキング箔のイメージ



 

ブリスター

軟化時のコイル半径方向での実体温度の差により、箔が幅方向に膨張、収縮しようとする力が働き、巻の緊密でない箔層間で局部的なスベリが生じる。このスベリ部分がブリスターになると考えられる。

(主な発生原因)
加熱条件…コイル内の実体温度差が大きくなるような条件の場合、具体的には急加熱、急冷却の際に発生する。
油付着量…圧延工程からの持込油が多いコイルで発生頻度が高い。
巻硬さ …コイル密度が小さい場合に多発する傾向がある。一方で硬巻コイルは、箔切れ、シワになるようなきついブリスターが発生する傾向にある。
コイル寸法…一般に小巻のコイルではブリスターは少なく、コイル内温度差の大きい太巻コイルの巻外~巻中では発生頻度が高い。



 

熱ジワ

炉冷中又は炉出し直後にコイル巻外部が急冷されることにより箔が幅方向に収縮し、コイル外周に縦筋状のシワが入ることである。

(主な発生原因)
炉出し温度…炉出し時の炉温が高い程入りやすい。
外気温…炉内と外気温の差が激しい特に冬場に熱ジワが発生しやすい。
巻硬さ…硬く巻かれたコイル程、きつい熱ジワが発生しやすい。



 

巻ダレ

コイルを宙刷りで焼鈍した時、真円に巻かれたコイルが楕円形になる現象。

(主な発生原因)
巻硬さ…コイル密度が低いときに発生しやすい。

 

 

調質不良

目的とする質別範囲に入らず、硬すぎて成形時のトラブルを引き起こすことがある。

(主な発生原因)
加熱条件…熱量が不足している場合に発生まとめする。

 

まとめ

アルミ箔の製造工程において「軟化」はアルミ箔の表面性状を決定する重要な工程である。

前工程からの油残分、油の状態、さらにはコイルの状態、加熱時の温度、時間の違いによって様々な表面状態に変化しうる工程ではあるが、先に述べた種々の方策の組み合わせにより品質の安定化が可能となる。

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