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公開日:2015年4月

高輝度アルミペースト

高輝度アルミペースト

はじめに

色彩設計の多様化により、光輝性顔料を使用した自動車用塗料、プラスチック用塗料やメタリックインキが開発され、その代表的な材料としてアルミニウム顔料が広く使用されている。

近年はアルミフレークの鱗片化技術の進歩によってメタリック塗膜の輝度が大幅に向上し、メタリック塗装の用途拡大に繋がっている。これらメタリック塗膜の特徴ある外観は観る角度によって反射光強度が変化する金属光沢感によるものであり、この外観は光輝感や方向性(フリップフロップ性)などといった尺度で表現されている。

メタリック塗料に求められているハイライト部での高い明度を実現するためには、ミクロな視点でのアルミニウム顔料粒子それぞれの反射率を高めることはもちろん、マクロな視点でアルミニウム顔料が配合されている塗膜全体の反射率を高める必要がある。

アルミニウム顔料の特徴

アルミニウム顔料の意匠性を決定付ける因子を図1に示す。粒子形状、粒度分布、隠蔽性や粒子厚みなどの特性を変化させることにより2000種類に及ぶシルバーメタリック顔料を作り分けている。

図1 アルミニウム顔料の特性要因

アルミニウム顔料の種類

図2 平均粒子径とハイライト部明度(L*15)(注)の関係
(注)(L*15 ; X-Rite MA65 による L*値(受光角 15°)

アルミニウム顔料そのものの正反射光を高め、拡散光を抑えるためには、粒子表面の平滑性を高くするとともに、粒子の形状を整える必要がある。
アルミニウム顔料の粒子形状は、コーンフレークタイプと呼ばれる粒子のエッジ部分がギザギザ状のものと、高輝度(シルバーダラー)タイプと呼ばれる円盤形状/コイン状の粒子の2種類に大別できる。ここに代表的なアルミニウム顔料の粒子形状を紹介する。


粒子の形状がコーンフレークタイプではフレークのエッジ部が不均一なため、光拡散を生じやすく正反射領域での明度が低下しがちである。それに比較し高輝度タイプは粒子のエッジ部分での光拡散が少なく、粒子の中央部とエッジ部での反射光角度が近似し正反射領域に集約されるため、ハイライト部での高い明度が得られる(写真参照)。

図2に代表的な当社のアルミニウム顔料の平均粒子径とハイライト部での明度(L*15)の関係図を示す。
当社のアルミニウム顔料はそれぞれの粒子形状の違いにより各種のシリーズがある。これらアルミニウム顔料は一般に、粒度が細かくなると、反射特性が低下するため、製品開発の変遷はより細かい粒度域でも反射特性に優れる特殊な加工技術(後述)によって、コーンフレークタイプから高輝度タイプへ、また図中の右下(スタンダードシリーズ:粗粒度で低明度)から左上(46xx、Z シリーズ:細粒度で高明度)の領域への開発を次々に進め製品化し、低明度から高明度へ、ギラギラとした粒子感からより緻密な質感へと変遷してきた時代のニーズに常に応える形で色材を市場へ投入してきている。

高輝度アルミニウム顔料

ハイライト部での明度を高める方策としては、それぞれのアルミフレークの物理特性を均一にする必要がある。
粒度分布幅をシャープにすること、また細粒度から粗粒度までのそれぞれの粒子のフレーク化度合(アスペクト比)の分布を均一にすることにより、粒度の差、フレーク化度合の差による拡散要因が減少し、強い正反射光が得られるようになった。

図3に高輝度タイプの2シリーズにおける単一製品中のアルミフレークの粒子径とそれぞれのフレークのアスペクト比の関係を示す。
一般に粒度に分布を持つアトマイズドアルミ粉をボールミルで粉砕したフレークは、細粒度ではアスペクト比が小さく、粗粒度ではアスペクト比が大きくなる傾向がある。このような粒度分布をもつフレークを特殊なフレーク化加工により、すべての粒度域でアスペクト比を均一にすることにより光拡散が制御されハイライト部での明度を高くすることが可能になった。その最高級グレードが Z シリーズになる。

図3 粒子径とアスペクト比の分布(製品比較)

今後の展望

アルミニウム顔料そのものの反射率をいくら高めても塗装後の塗膜中のアルミニウム顔料の分散や配向状態が悪ければ光輝感が損なわれる(図4,5)。
そのため最近は上記に示したようなアルミフレークの物理的な性状の改良だけでなく、フレーク表面の化学的特性の制御により、アルミニウム顔料を含む塗料中での分散状態や、塗膜中での配向の改善を目的とした塗膜全体でのマクロな視点からの研究が進められている。

図4 塗膜中のアルミフレーク(塗膜断面モデル)
図5 アルミフレークの分散と配向状態(顕微鏡観察)

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