研究・技術情報
Research &
Technology
公開日:2015年4月
水性塗料対応着色アルミ顔料
はじめに
当社は着色アルミ顔料として、アルミニウムフレークに有彩色顔料で着色した「フレンドカラー TM 」をラインナップしている。
着色アルミ顔料の最大の特徴としてはアルミフレーク表面を有彩色顔料で一様に覆っている点にある。 この構成によりアルミフレーク表面からの反射する白色光がなく、塗膜から出てくる光は全て有彩色顔料を通過し色が付いた光となるため、高明度、高彩度を有する 。(図1、図2 参照)(当社技報:着色アルミペーストを参照 )


課題
現在、自動車塗装用料などを筆頭に塗料の水性化が世界的に進められている。
アルミニウム顔料は水性塗料中に含まれる水と反応し水素ガスを発生する性質を持っているため、通常は水性塗料中の水に対する腐食防止処理を行い水性塗料に適応させている。(当報:水性塗料用 アルペースト ®を参照 )
従来の溶剤型塗料用着色アルミ顔料は通常耐水皮膜を有していない。そのため、水性塗料に着色アルミ顔料を分散させ貯蔵すると、水分がアルミフレーク表面まで達し、水と反応し水素ガスが発生する。つまり耐ガス発生性能が完全ではなかった。
また、着色アルミ顔料表面は樹脂で覆われている為、水に分散する事は出来ない。水性塗料中での分散性を向上させる事も必要となる。
解決策
当社では水性塗料対応アルミ顔料技術としてシリカ層をアルミフレーク表面に被覆した「EMERAL®」シ リーズをラインナップしている。
無機物質であるシリカは有機物質の樹脂と異なり、より緻密な構造を形成し水分等のバリア性に富み、耐ガス発生性能を飛躍的に向上させる処理である。
当報で報告する水性塗料対応着色アルミ顔料は、着色アルミ顔料の着色技術とシリカ被覆アルミ顔料の水性塗料対応アルミ顔料技術とを融合させ、「フレンドカラー」 の持つ高い明度、彩度を有し、且つ 「EMERAL®」の優れた耐ガス発生性能を有するものである。 (図3)

当社では自動車用途を想定し、耐候性に優れるフタロシアニン系顔料の青、緑を用いた水性塗料対応着色アルミ顔料として「EMR-D46BLA」と「EMR-D46GRA」をラインナップした。
既存グレードとの比較
(1) 塗板の彩度評価
アクリル系の塗料を用い塗板を作製し、既存グレードとの彩度比較を行った。
図4に示すように従来の「溶剤型フレンドカラーD462シリーズ」と同等の彩度を示す事を確認した。

(2) 耐ガス発生性能
図5にアクリル系エマルジョン塗料 (pH=8.3)200g中でのガス発生試験結果を示す。
「EMR-D46BLA」、「EMR-D46GRA」ではガス発生が観測されず、これら水性塗料対応着色アルミ顔料は耐ガス発生性能に非常に優れる事を確認した。

おわりに
これまで難しかった着色アルミ顔料の水性塗料への適応が可能となることにより、自動車塗装用水性塗料への展開が期待される。また水性インキ等への用途展開が考えられる。
このようにシステムの対応範囲が広がることにより、着色アルミ顔料の持つユニークな意匠が様々なシーンで見られる事を期待している。
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