研究・技術情報
Research &
Technology
公開日:2012年12月
READ-MAX®白着色層無しバーコード対応
はじめに
日本における医薬品内服薬(錠剤、カプセル剤)に多く使用されているPTP(Press Through Package)は、もともと欧米で開発され、日本国内では 1960 年頃から普及し始めた。
その後約半世紀の間、その基本構成は大きく変わることはなかったが、平成18年に医療機関での医療事故防止対策として医療用医薬品へのバーコード表示の義務化が厚生労働省より通達されている。
ここで紹介する READ-MAX®は、従来の基本構成を大きく変更することなくバーコードの読み取りを可能にしている。
また、識別性向上を目的とした READ-MAX®に着色を施した製品についてもここに報告する。
READ-MAX® 概要
直接アルミ地へのバーコード印刷の場合、光沢面での乱反射がほとんど生じない(鏡面反射)ためにバーコードリーダーで読み取ることが出来ない。
PTPの場合、アルミ地に白着色層を設けることで読み取りが可能になるが、コスト、リードタイム、技術的な問題(シール強度低下)等、不利となっているのが実情である。(図1)
READ-MAX®は、特殊な光拡散作用を持つコート層を施すことで、白着色層が無くてもバーコードを読み取り可能とした、画期的な技術である。

技術説明
前述の通り、バーコードの読み取りには拡散反射が必要である。
本件では、OPコート層に特殊な光拡散作用を持つ成分を添加し、拡散反射を実現することで読み取りを可能としている。(図2)
更に、OPコート層に顔料を添加することで着色も可能であり(識別性の問題)、他ユーザーとの差別化を図ることにも非常に有効である。

着色READ-MAX®について
着色タイプの製品については、バーコードの印刷色とREAD-MAX®の色相で読み取り性は変化するが、白着色品と同等以上の性能を有している。
白着色層への顔料添加の場合、バーコード印刷色とのコントラストが著しく低下するために、読み取り性は悪化してしまう。サンプルはバーコード印刷(墨、青、緑、茶の4色)を施したものに着色READ-MAX®(赤、橙、黄、緑、青、紫)を塗布したシート写真である。

これらの着色品は識別性を向上させる点だけでなく、既に従来品から着色のある製品に対して、バーコード表示の義務化を基点に白着色品への切り替えを余儀無くされる(カラーイメージの変更)場合においても各製薬メーカーから注目されている技術であり、今後ナショナルブランドとして展開していく製品である。
読み取り性評価
図4に各READ-MAX®の読み取り性評価結果を示す。
これはバーコードの印刷色と着色READ-MAX®の色相との関係性を表している。
バーコードリーダーの光源より670±10nmの赤波長が照射されているため、類似波長を持つ暖色系のバーコード印刷色は基本的に読み取りが困難である。
また、着色READ-MAX®の色相が濃くなると、先述のように下地の色とバーコード印刷色とのコントラストが無くなるため、同様に評価は低下する。
それらの条件を除けば、いずれも白着色品と同等以上の読み取り性を有している。


最後に
現在、ジェネリックメーカーを中心に市場へREAD-MAX®が拡販されており、今後も採用は伸びるものと考えられる。
バーコード切り替えに対して各製薬メーカー、包材メーカー、機器メーカー等様々なところで憂慮すべき課題があるが、生産性を維持しコストアップをいかに抑えるかが、各メーカーの命題と言える。
この印刷技術がこれらの課題を打破する糸口となることを期待するとともに、PTP以外にもアンプル材等透明容器のラベル印刷、更には食品用途、工業材用途と多岐にわたり横展開できる可能性があり、更なる改善改良を行い製品展開していきたい。
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