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公開日:2018年4月

Ranafoil™-E (表面粗化アルミニウム箔)

Ranafoil™-E (表面粗化アルミニウム箔)

はじめに

アルミ箔は優れた特性を有しており、異種材料と組合せた複合材料にする事で、幅広い分野で利用ができる。エネルギー分野では、軽量で良好な電気伝導性を有する為、リチウムイオン二次電池や電気二重層キャパシタ用の集電体として利用できる。食品、薬品、化学品分野では、液体や気体を通さない特性から、フィルムとの組合せで、包装材料として利用できるなど、用途は多岐に渡る。これらは、貼合せ・コーティング加工を施すことで、製造することができ、要求される特性の一つに、異種材料との良好な接着性、密着性がある。この接着(密着性は、接着剤と被着体の界面で化学的、物理的に接合することで得られるが、最終製品の特性に大きく影響するため、アルミ箔界面の剥離強度改善を要求されることが多い。 
本技報では、物理的界面接合による剥離強度改善に有効なRanafoil TM E について紹介する。

Ranafoil™-E の表面形態について

Ranafoil™-Eは、アルミ箔表面をエッチング液で化学的に処理することで、溶解粗化させた箔であり、その表面凹凸によるアンカー効果で剥離強度向上に付与できる素材である。 
図 1 は、Ranafoil™-E の表面 SEM 写真である。溶解部ライト部分と、難溶解部ダーク部分に分別される。 図 2 は 溶解部の表面拡大写真と断面写真であるが、箔表面に角張った凹凸が形成されている。この表面形態は、アルミ箔の純度、及びエッチング液の温度と処理時間で溶解量を調整し、コントロールしている。 アルミ箔の組成 が異なると同じエッチング条件でも溶解量、表面形態が変わる(図 3) 。 

図1 表面SEM写真
図2 表面 、断面SEM写真(溶解部拡大)
図3 組成の違いによる表面形態の違い
(左:1N30 材 右:8021 材)

剥離強度改善効果について強度改善効果について

剥離強度を比較するため、未処理のアルミ箔(以下、「未処理箔」という)と、Ranafoil™-Eで溶解量の水準を振った計 3 種のサンプルを使って物性を評価した。アルミ箔は、厚み 80μm、純度 1N30 材を使用した。図 4 に各箔の表面粗度Rz と、各箔同士を接着剤で貼合わせた構成体の剥離強度を比較した結果を示す。剥離強度は JISK6854-1 に準じドラム式冶具を用いて 90°剥離で測定し、粗度 Rz は JIS B0601:1982 に準じ触針式粗度計で測定した。
図 4 の結果から、剥離強度、表面粗度 Rz 共に、未処理箔よりも Ranafoil™-E の方が大きく、溶解量を増やすことで更に大きくなる。特に溶解量を多くしたサンプルでは未処理箔と比較して25%も剥離強度が上昇した。
図 5 は接着層と各箔の界面が確認できる断面SEM 写真である。未処理箔では、表面が平坦であるのに対し、Ranafoil™-E は表面凹凸が形成されている。溶解量を増やすほど凹凸が大きく、その面積も増加していることが確認できる一方で、接着剤が凹凸に流れ込んでいるのがわかる。
以上から、表面凹凸形成により接着剤との接触面積が増加することで、剥離強度が大きくなる。

図4 接着強度 、表面粗度Rz比較  
図5 接着剤とアルミ箔界面の断面SEM写真

おわりに

本技報では、接着剤での貼り合せを例に、Ranafoil™-E の表面凹凸のアンカー効果による剥離強度改善効果について説明した。このことから、Ranafoil™-E は食品、薬品、化学品の包装材、電池やコンデンサー用の集電体の他、回路基盤等の電子機器部品、工業材や建材用で接着(密着)性を要求する幅広い分野に利用することができる。
その表面形態は、目的の用途に合せてカスタマイズが可能な為、新たな用途展開を目指していきたい。

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