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公開日:2019年4月

ポーションタイププロセスチーズ用包装材

ポーションタイププロセスチーズ用包装材

はじめに

チ ーズは 近年、日本でもより身近な食材となっている。 チーズは製造方法により、ナチュラルチーズとプロセスチーズに大別されるが、 特に 日本では海外に比べ圧倒的にプロセスチーズの消費が多く、フレーバーや食感など独自の進化をとげている。 プロセスチーズは20 世紀初 めに、生ものであるチーズの保存性を 高め るために発明されたもので 、製造過程において加熱を行い 、発酵を止めているため、 ナチュラル チーズよりも風味が安定し、日持ちする。 また、加熱によりチーズを溶かした状態で 充填するた め、様々な形状にすることができる。 プロセスチーズには、スライス、6P 、ベビー、キャンディー、ブロックなど様々な形状があるが、主に 6P ・ベビーと呼ばれるポーションタイプは、アルミ箔を使用した個包装が用いられている。 これは、 溶かしたチーズを流し込むという充填方法 から、成形性・形状維持に適しており密封性に有利である こと、 また 、アルミ箔により 光や 空気を遮断し内容物の酸化・劣化を防ぐことができる ためである 。

ポーションタイプ プロセスチーズの充填と包装

ポーションタイププロセスチーズ の包装は、シェル、リッド、カットテープ( ティアープ ) の3種の包装材によって構成されて いる 。 3種の包装材は、図1 -Aの模式図のように組み合わされている。 図 1-Bの 写真左ように 個装 を裏返すと分かりやすい。 突出した赤いカットテープ部分を指でつまみ引き上げることによって、 図1-B の写真 右の ように 、カットテープの形状に沿ってシェルがチーズから分離され、 開封することができる 。 それぞれの包装材の一般的な 構成を 図2、充填方法の概略を 図3に示す。 溶かしたチーズを流し込む舟形 容器 となるシェルと、蓋となるリッ ドを ヒートシール することで、密封 している 。 チーズを流し込む前に、開封パターンに合わせてカットテープをシェルにヒートシールする。
 

図1-A 充填された 状態の 模式図
図1-B ベビーチーズ裏面と開封の様子
図2 ポーションプロセスチーズ包装材の構成
図3 ポーションプロセスチーズ充填方法概略

要求性能

ポーションタイプ用アルミ個包装に求められる性能と、影響する包装材の主な要素を下表に示す。 


特に、密封性、耐内容物性は、充填後のチーズの保存性につながる重要な性能である。 顧客での評価は、充填適性の他、賞味期限設定以上の期間に渡る保存試験も実施される。

設計のポイント

① シェルおよびリッド
アルミ箔は厚み12μm程度の軟質箔が一般的である。 薄いと破れやすくなるし、厚いと成形性が悪くなり密封性に影響する。 
シェルとリッドのヒートシール面のコート剤は、優れた密封性を得るため、互いの接着性を重視して選択する必要がある。 加えて、図2にも示したように、シェルの内面はカットテープとも接着させるため、この両者の接着性も考慮せねばならない。 
また、シェル、リッドともにチーズと接触する内面側のコート剤は、チーズとの相性(身離れ性)や耐性も重要となる。 特に、プロセスチーズの特徴である長い賞味期限に対して、チーズ由来の水分や塩分に耐えなくてはならない。 高い耐内容物性を得るには、コート剤の種類だけでなく、ピンホールの無い一様で安定したコーティング技術が必要である。 

②カットテープ
フィルム基材であるため、構成や加工よって生じるカールに留意する必要がある。 カールの程度や方向によって、充填時のカット性やシール状態に影響する。また、コシは充填適性だけでなく開封性を左右することもあるので、ニーズに合わせて総厚を調整するなど工夫すると良い。

おわりに

当社では、チーズ用包装材における広いシェアと長年のノウハウを活かして、様々なニーズに応えた設計が可能である。 
前述の通り、プロセスチーズは多様な形状にできることが特徴であり、海外では紙素材のポーションタイプ包装もある(図4)。 変化していくプロセスチーズの様態に柔軟に対応し、より良い包装材の提案を目指していきたい。

図4 海外の紙素材ポーションタイプ包装

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