研究・技術情報

Research &
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公開日:2020年4月

トーヤル ソーラークッカー®

トーヤル ソーラークッカー®

はじめに

ソーラークッカーは電気、ガス、炭又は薪などを用いず、太陽光のみを利用して調理を行うことができる環境に配慮した器具である。 ソーラークッカーには3種類の形状があり、集光を重視したパラボラ形状の集光型、保温を重視した熱箱型、集光と保温について前記2種類の中間の能力をもつパネル型である。 各型とも、メリットとデメリットがあるが、弊社では使用方法が簡便で安価であり、収納性も良好なパネル型の開発を当初より進めてきた。
ソーラークッカーの用途としてはレジャー、教材、防災又は海外支援用途が考えられるが、弊社では特に防災、海外支援に適した製品設計を行ってきた。

特長

パネル型のソーラークッカーはSolar Cooker Cookers International 社の Solar Cookit をはじめ、様々な形状があるが、弊社の製品は下記のような特長を取り入れた設計となっている。

①本頁右上の写真は、本製品の調理時の風景で縦110cm×横85cm×高さ60cmの大きさである 。 図1は、本製品の折りたたみ時の様子で、縦75cm×横50cm×高さ12cmまでコンパクトにでき収納も楽にできる。 さらに、重量も1kgに満たないため持ち運びが楽である。

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図1 折りたたみ写真

②図2に示すように、接続部には 角度調整用のスナップボタンが3段階取り付けており、緯度の異なる国や季節の太陽高度に適した使用が可能である。 図3は四季による置き方の違いを示す。 冬場のように太陽高度が低い季節でも、右図のようにソーラークッカーの設置方法を変えることで対応可能である。

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図2 スナップボタン写真
図3 四季による置き方の違い

③図4は重り置きパネルの写真である。 強風による煽られを防止するための重り置き用パネルが設置されている。

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図4 重り置きパネル写真

④図5は本製品に取り付けられた鍋敷き台である(赤破線内)。 調理器具を置く位置の目安、滑り防止、地熱による冷却対策のための目印となる 。

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図5 鍋敷き台写真

⑤本製品の基材はプラスチック段ボールとアルミ蒸着フィルムを貼り合わせた構成のため、雨濡れや破れに強く、高い反射率を持っている。

性能評価

図6は、性能評価で用いた供試材を示す。 飯盒に水をl500ml入れ 、透明な耐熱フィルムで飯盒を覆った。 耐熱フィルムは熱の対流による逃げを防ぐ効果がある。 2019年1月24日(冬)、4月13 日(春)、9月10日(夏)にソーラークッカーによる水の昇温試験を実施した。
試験はソーラークッカーに供試材を設置後、10分毎に飯盒内の水温を測定し、90分経過するまで繰り返して終了とした。 いずれの試験日も太陽に雲が重ならなかったこと、試験後に気象庁のホームページで日照時間を確認し、実験中は常に日照状態が続いていたことを確認した。

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図6 供試材

図7はソーラークッカーによる水の昇温試験の結果を示す。 コーヒーやスープの適温と感じやすい85℃まで昇温させるのであれば、夏は約30分、春は約40分、冬は約60分で可能であった。 沸騰間近の95℃以上であれば、夏は40分、春は60分、冬場は90分で可能であった。 図8は夏(9月10日)の飯盒蓋の温度を示す。 飯盒の蓋の表面温度は124℃まで達していた。

図7 ソーラークッカーによる水の昇温試験
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図8 夏の飯盒蓋の温度

本製品は、加熱能力は十分に実用性がある製品設計となっているが、キャンプ・レジャー用途では持ち運び性やデザイン性に適した仕様にすることも可能である。 図9 はソーラークッカー(本製品)の調理例を示す。 3~4人分のシフォンケーキや煮込み料理等の調理も可能である。

図9 ソーラークッカー調理例

採用実績

本開発に多大なご協力を頂いている大学へ100枚程度寄付をさせていただき、エチオピア、ケニア、コートジボワールで展開している。

終わりに

当社は人と環境に配慮した製品を目指している。 現在、より安価で利便性の高い形状や材料構成、弊社独自のアルミ技術を生かした製品も検討している。 今後も、少しでも国内外の皆様の暮らしに役立てられるような製品を提供していく。

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