研究・技術情報
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公開日:2022年5月
Al 伸縮回路基板
はじめに
近年、電子機器の小型化、薄型化が進むプリント配線板の中でもストレッチャブル配線板が注目されている。 これは、従来のフレキシブルプリント配線板に更に伸縮性を付加したもので、これまで困難だった曲面や凹凸表面への施工が簡単になるためだ。 今回、当社開発中のAl 伸縮回路基板における特長を、以下に紹介する。
特長
1.様々な配線パターンが可能
本開発品は、図1 のように伸縮樹脂表面にAl 配線を配置した構成であり、伸縮度合はAl 配線のデザイン形状を変えることで調整できる。 Al 配線のデザイン形状は、当社のエッチング技術を用いることで、図2 のような波形・格子形など意匠的な配線形状の作成や伸縮樹脂の表裏で配線パターンを変えることも可能である。 なお、可能なAl細線レベルは、L/S で200μm/200μm となる。


2.伸長におけるAl 抵抗変化率が小さい
一般的に、導電性インキや蒸着法で形成された配線は伸長させる基板には不向きと言われている。 しかし、本開発品はエッチングにより形成伸長したAl 配線のため、伸長後も抵抗変化率が小さいことが特長である。 このことは、図3 に示すAl 伸縮回路基板をもとに測定した、破断するまでの抵抗値変化(図4)とその荷重変化(図5)からも確認できている。



適用例
図6 は、図3 のAl 配線パターン品をロードバイクのハンドルヒーターとして取り付けたものだ。 Al 伸縮回路基板に伸縮性があるため、ハンドルグリップの凹凸やドロップハンドルの曲がりに対しても沿う形で、巻き緩むことなく綺麗に取り付けられた。

次に、ハンドルヒーター用の電源と接続した時の加温状態を図7 に示す。 取り付けたAl 伸縮回路基板は、断線や局部的な異常加熱もなく、比較的均一に加温できていることが確認できた。

おわりに
今回、開発中のAl 伸縮回路基板における特長とハンドルヒーターへの適用例について紹介した。 実用化には、基板表面保護による耐久性向上やAl 配線接続部の信頼性向上など、未だ課題はありますが引き続き改善している。 またAl 回路機能を活かした静電センサーやウェアラブル機器などの用途検証も並行して進め、ご提案ができるように取り組んで行きたいと思う。
参考
1)井上雅博(2019).伸縮性導電ペーストを用いたストレッチャブル配線技術.成形加工, 31,9,330-333.
2)中尾凌,他(2022).第36 回JIEP 春季講演大会.24A1-4.
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