研究・技術情報
Research &
Technology
公開日:2025年12月
アルミニウム単層で白く見える
白いアルミ箔
はじめに
アルミ箔は優れたバリア性を有しており、異種材料と組み合わせた複合材料として幅広い分野で展開されている。 例えば食品や医薬品分野では包装材としてアルミ箔が使用されているが、その際様々な表示物やデザインを適切に表現するため、白色インキによる下地印刷が施されることが多い。
一方、近年ではリサイクル等の観点からモノマテリアル化が望まれている。 上記下地印刷工程を省略できれば環境負荷低減に貢献できる可能性がある。
本報では特殊表面凹凸を均一に形成させることで、単層で白く見えるアルミ箔(以下、「白いアルミ箔」と称する)について紹介する。
本開発品の特徴
1.表面形態
図1にアルミ箔断面を10°傾斜して観察した走査型電子顕微鏡画像を示す。 一般アルミ箔(ツヤ面)は箔表面に圧延ロール由来の圧延スジが確認されるが、比較的フラットな表面形態である。 一方、白いアルミ箔は箔表面に特殊な微細凹凸が全面均一に形成されている。

2.反射特性
図2に紫外可視光分光光度計により測定した紫外可視光線領域における積分球全反射率を示す。 一般アルミ箔(ツヤ面) や白いアルミ箔はアルミニウム本来の反射特性に準じた高い全反射率を示している。
また、全ての波長域において白いアルミ箔は白インキ印刷アルミ箔より高い全反射率を示しており、その中でも紫外線領域における反射特性が明確に異なる。 白インキ印刷アルミ箔はインキ主成分である酸化チタンが紫外線を吸収する性質があり、紫外線領域における全反射率が低いが、白いアルミ箔は紫外線領域においても高い反射特性を有している。

3.明度
白さを数値化する1つの指標として色の明るさを示すL*値を比較した。 表1に色差計により測定した受光角度45°におけるL*値を示す。 白いアルミ箔のL*値は一般アルミ箔(ツヤ面)より高く、白インキ印刷アルミ箔と比較すると同等以上の値を示している。

4.耐熱性
図3に200℃の大気雰囲気下で保持したときの時間経過による色差の変化を示す。 200℃で保持する前後の受光角度45°における色差をΔEとして算出している。 白インキ印刷アルミ箔は白インキのバインダーに含まれる樹脂成分の変色によるΔEの増加が確認される。 一方、白いアルミ箔はアルミニウム単層のため変色は見られず色差は一定の値である。

5.バーコード読み取り性
表2にバーコード読み取り性評価を示す。 バーコードの印字品質を決める各項目を測定して得られた復号容易度の値を示している。 白いアルミ箔は白インキ印刷アルミ箔と同等のバーコード読み取り性を有している。


今後の開発展望
白いアルミ箔は紫外線及び可視光線領域において高い反射率を有するアルミニウム本来の特性を活かし、当社の素材設計技術及び表面制御技術を組み合わせて開発されたアルミ箔である。
今後は先述の白インキによる下地印刷への代替をはじめ、紫外線(UV)反射特性や耐熱性が要求される用途、高い表面積が要求される電子部品用途等、様々な分野へ展開していきたい。
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