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公開日:2015年4月

RFID用 銀ペーストブリッジアンテナ回路

RFID用 銀ペーストブリッジアンテナ回路

はじめに

RFID カードは交通系非接触カードやコンビニの支払いをはじめとした金融系の非接触カードなど幅広い分野で使用されており、バンキングカードや個人認証などの用途へ浸透してきている。また、アミューズメント用途などへの展開も目覚しく、その用途は多岐にわたる。
そのような RFID カードはアンテナ回路と呼ばれる電波を受信する機能を内部に有している。そのアンテナ回路は図 1 に示すように、電磁波を受取るアンテナの役割を果たすコイルパターンとコイルパターンの終端を電気的に接続するブリッジパターンからなり、コイルパターンとブリッジパターンの間には支持体となる絶縁層が存在する。

図1 アンテナ回路例

ブリッジパターン はムダが多い?

アンテナ回路のパターンは支持体の両面に導体層を形成し、任意形状が得られるように不要な導体層を除去して作製することが一般的である(図 2)。

図2 一般的な回路形成イメージ(断面)

このとき、ブリッジパターンに求める性能がコイルパターンの終端どうしを接続することのみである場合、コイルパターンの面積に対してブリッジパターンの面積は非常に小さく、それ以外の部分は不要、ムダとなる。このムダを少なくすることで資源や加工に必要なエネルギーを省くことができると考え、開発をおこなった。

ブリッジパターンの形成

不要な部分を除去してブリッジパターンを形成する方法はムダが多い、という問題を解決するために、ブリッジパターンを必要な場所に必要な量だけ形成する方法を検討した。その方法として、支持体上にコイルパターンを形成し、そのコイルパターン上に銀ペーストを印刷してブリッジパターンを設けることでアンテナ回路を形成する。
その際、アンテナパターンとブリッジパターンが接してはならない部分には絶縁層を設けてアンテナ回路が成立するようにした(図 3)。

図3 銀ペーストブリッジアンテナ模式図

銀ペーストブリッジパターンの品質

銀ペーストでブリッジパターンを形成する際、絶縁層を設けるが、その絶縁層の厚みが薄すぎると銀ペーストブリッジとコイルパターンが接続されてしまい、回路が短絡してしまう(図 4)。

図4 絶縁層が薄く回路が短絡

逆に絶縁層の厚みを厚くすると絶縁層端部で銀ペーストにクラックが生じてしまう。クラックが発生するとブリッジパターンが断線した状態になり、回路が成立しない。
この原因は絶縁層の端部が垂直に近い形状のために角の部分で銀ペーストに負荷がかかりやすいためである。RFID カード化するまでの加工(ロール to ロール加工を含む)ストレスやカード使用時の曲げによるストレスがかかる場合には顕著に発現する。この問題を解決するために、特殊な方法で絶縁層に傾斜を設けることで角をなくし、銀ペーストへの負荷を軽減することで、絶縁層の厚みを十分に確保した状態でクラックが発生しないアンテナ回路を開発することができた(図 5)。

図5 絶縁層形状でクラックを改善


本技術を用いれば、支持体の片面を絶縁体に出来る。アンテナを使用時にその片面については絶縁処理が不要となるため、アンテナ製造時の省資源に加えて、アンテナを加工する際の手間や資源を省くことも可能である。

おわりに

本開発品は現在まで培われてきた東洋アルミニウムのエッチング回路製品や、多岐にわたる経験・知見を生かした製品である。今後、RFID の需要が増えていくにあたり資源を有効に活用し、環境負荷の低減に貢献ができると考えている。

特許出願
特許第5501114号

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