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公開日:2017年4月

TOYAL TecFiller® TFMシリーズ

TOYAL TecFiller® TFMシリーズ

はじめに

近年、携帯端末等の電子機器の高精度化ならびに軽量化に伴い、それらを支える電子材料の変革が求められている。導電回路や導電接着剤等に用いられる導電フィラー材料は銀が主流である。銀は高導電性を有する代表的な金属であるが、マイグレーションが生じることや高価なことは周知の通りである。図1は、マイグレーションを模式的に示したものである。湿度が高い状態で電位がかかることによって銀が成長する現象で、このことにより電子部品が短絡する。
導電フィラー市場では、銀並みの性能を有しながら軽量でかつ付加価値のある新材料が求められている。

図1 マイグレーションによる電子部品の短絡

開発コンセプト

当社のコアコンピタンスの技術の一つである 粉体へのめっき技術を用いて、アルミニウムを含む様々な材料のコア粒子に無電解銀めっきを施した導電めっきフィラーである「TOYAL TecFiller®TFMシリーズ」を開発した。その開発コンセプトは、スマート社会を支えるサイバーフィジカルシステム(CPS)デバイ スに寄与できる高性能導電フィラーを製品化することである。このコンセプトを基に開発したTFMシリーズを紹介する。

3 TFMシリーズの特長

TFMシリーズである本フィラーはコア粒子として、銅、ニッケル、アルミニウム、シリカ、アルミナを用いている。その粒子上に導電層としての銀層を形成する。さらに、銀層への保護層として脂肪酸で処理しためっき導電フィラーを設計した。図2は、TFMシリーズの模式図である。

図2 TFM シリーズの模式図

TFMシリーズは、①様々な粒子に銀で全面被覆されているフィラーである、②球状あるいはフレーク状の銀フィラーと同等レベルの抵抗値を有する、③コア粒子の特性を生かした導電フィラーである、④耐マイグレーション性に優れている、ことなどの特長を持つ。
コア粒子の全面に銀が被覆されていないと、電気の導通が悪くなり抵抗値が増加するので、銀による全面被覆とその被覆量が重要になる。銀被覆量はコア粒子の粒子径やBET値によって様々であるが、被覆する銀層の厚みはおよそ30~60nm程度である。
図3に銀フィラーと比較したTFMシリーズの抵抗値を示す。球状とフレーク状のそれぞれにおいて、コア粒子の材質によらず、TFMは銀フィラーと同等レベルの抵抗値を持つ。 

図3 TFMシリーズの抵抗値TFMシリーズの抵抗値

TFMシリーズの中で、低比重めっき導電フィラとしてアルミニウムコ品、シリカとナコア品がある。銀フィラーに対して、比重がその約 1/2 ~1/3 と小さいので、電子部品の軽量化が可能となり、使用されるユーザにとっては、フィラー使用量も大きく削減でるというコストメリッもある。
TFMシリーズは、耐マイグレーション性に優れている点で、銀フィラーと大きく差別化できる。図4に銀フィラーに対する代表的なTFMシリーズのマイグレーション性評価結果を示す。各フィラーをインキ化しフィルム上に塗布したものを温度85℃しフィルム上に塗布したものを温度85℃、湿度85%の雰囲気下でマイグレーション試験をおこなった。銀粉(フィラー)は試験開始後すぐにマイグレーションが生じることに対して、TFMシリーズはいずれもマイグレーションが生じないことがわかる。

図4 TFMシリーズのマイグレーション結TFMシリーズのマイグレーション結果

 

TFMシリーズのラインナップ

表1にTFMシリーズの特性と用途を示す。
シリカコア品は導電接着剤に、アルミニウムコ品はガスケット材や導電接着シーに好適に使用でき、いずれもコストパフォーマンに優る。また、他のコア粒子と組み合わせるこで、特性の幅や、使用いただける用途がさらに広がる。

表1 TFMシリーズの特性と用途

安全性

全てのTFMシリーズにおいて、粉じん爆発試験及び燃焼速度試験を行い、安全性に問題がないことを確認している。

今後の展望.今後の展望

開発しためっき導電フィラーTFMシリーズの更なる性能アップを図ることはもちろんのこと、当社コアンピタスと複合し、新しい用途展開をおこなっていきたい。

 

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